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特別寄稿! 著作権課長より

学校への著作権知識の普及について〜民間の力を借りて
文化庁長官官房著作権課長
吉 川  晃
著作権に関する文化庁の取り組み
 著作権に関する教育の重要性は、国会でも審議会でもしばしば指摘されてきた。「知的財産推進計画2004」にも、「知的財産教育に関する児童・生徒向け教育及び教員向け研修を推進する」とされており、初等中等教育向けの教材や教員向け手引書の作成などへの取り組みが計画されている。
 また、平成14年度から施行されている学習指導要領を見ると、中学校の教科「技術・家庭」や高等学校の教科「情報A」等で、著作権の保護等の内容を扱うこととされている。

 こうしたことから、文化庁では、現在、学校教育を最重要の対象と位置づけ、小・中・高等学校・特殊教育諸学校の教員(約98万人)に著作権に関する実践的な基礎知識を身に付けてもらうとともに、児童・生徒に対して年齢段階に応じて教育指導が適切に行われるよう、例えば、教員向けの「著作権教育5分間の使い方」や生徒向けの学習ソフト(小学生版・中学生版)をウェッブで提供したり、中学3年生全員に「まんが著作権教室」という冊子を配布したりしている。詳しくは、文化庁のHPを御覧いただきたい。

学校における著作権教育の実態
 これまで、学校現場の著作権知識が乏しいのではないかという問題意識はあったが、実態の把握が十分であったとは言えない。そこで、初の試みとして、(社)著作権情報センターに経費を負担してもらい、(社)日本教育工学振興会にはすべての実務を担当してもらって、「学校における著作権教育アンケート調査」を行った。文化庁だけではできなかったことで、両団体の協力は大変ありがたく思っている。平成16年12月初旬に発表された調査結果の要点は、次のとおりである。

(1) 小学校で47%、中・高等学校で75%が、著作権を取り上げた授業を実施している。
(2) 学校教育に関する例外規定の内容まで詳しく知っている教員がいる学校は、全体の10%程度と非常に少ない。
(3) 著作権に関する研修を受講した教員が1人でもいる学校は45%と少ない。

 調査結果からは、著作権教育の重要性は認識しているが、著作権知識には自信がないという学校現場の姿が浮かんでくる。これは現場の責任というよりも、現場からの研修機会や教材等の助けを求める声に国や教育委員会がどう応えていくのかの問題であると思う。「職員室では著作権という言葉はほとんど無視された状況です」「教員を含め、学校現場が無関心、無知であることは大変悲しいことである」、このようなつぶやきも調査では聞かれた。多くの学校における著作権教育は夜明け前なのである。

著作権教育の今後に期待
 警鐘の意味をこめて悲観的な面を紹介したが、一方で光明も見える。例えば、大阪府教育委員会では、(社)著作権情報センターの協力を得て、平成17年度から初任者研修のカリキュラムに著作権講座を盛り込む計画を立てている。講師の確保や研修内容の策定には、教育委員会にはノウハウが少ないので、民間の力を借りることによって、組織的な著作権教育の基盤を作っていくことが賢明である。他の教育委員会においても、このような取り組みが広がるよう、文化庁としても、機会をとらえて教育宣伝活動に努めており、やる気のある教育委員会には労を惜しまずできるだけの支援していきたいと思っている。

 民間による著作権知識の普及活動には、(社)日本音楽著作権協会や(社)コンピュータソフトウェア著作権協会のような非営利団体による講習会等の催しやパンフレットの無料配布などが一般的であるが、最近では、富士電機ITソリューション梶A鞄燗c洋行のようなIT関連企業や日刊工業新聞社のような新聞社が主催する教員対象のセミナーでも著作権を取り上げる動きが出てきている。私が関わったセミナーでも、県下はもとより近県からも熱心な教員が集まっていた。教育の情報化を真剣に進めるには、著作権知識が不可欠であるとの認識をしっかり持った学校や教員が増えていると感じる。著作権を含む「教育者のための情報モラルスキルチェック」というオンラインテストを発売する企業も現れた。このような民間の力を借りて、著作権知識が教員に行き渡り、さらに次代を担うこどもたちに浸透することを大いに期待している。

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